新しいお金の考え方


人生100年を生きるにあたって、お金や経済面は非常に大切です。

しかし、お金について学校の授業で習うことはありませんでした。

ライフシフトでは、これからの時代のお金との向き合い方として、自己効力感・自己主体感という言葉で解説されています。



お金に関する自己効力感

 自己効力感とは、「自分ならできる」と思うことです。

人生をどのように組み立てたいか考えるためには、まず「自分が自分の人生を組み立てることができる」という意識を持つことが不可欠ですが、これはお金に対しても同じことがいえます。

自己効力感を得るためには、◆変身資産とは?で触れられていた自分についての知識と同時に、一般的な金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)ももつ必要があります。

 

 たとえば、簡単な金融リテラシーの診断があります。みなさんは以下の5つの問いの答えはおわかりでしょうか?

  1. あなたが銀行に10000円預けていて、利息は年に2%だとする。預金を引き出さない場合、5年後にはいくらになっているか?
  2. 預金の利息が年に1%で、インフレ率が年に2%だとする。1年後、あなたがその口座のお金で買えるものは、増えるか、変わらないか、減るか?
  3. 「一つの企業の株式を購入することは、投資信託を買うより一般に安全性が高い」――この主張は正しいか、間違っているか?
  4. 「15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、返済する利息の総額は少なくて済む」――この主張は正しいか、間違っているか?
  5. 金利が上昇したとき、債券の価格はどう変動するか?

この問いに全問正解できれば、あなたは金融リテラシーで上位4分の1に入ります。しかし、アメリカ人を対象にした調査では、全問正解できたのはたった15%だったそうです。1~3問目に絞った場合、3問とも正解できたのはドイツでは約半分、日本では25%とのことです。

 

 金融リテラシーを高めるためには、関連書籍やオンライン講座などでも学ぶことができますが、やはり最善の方法は実際に経験を積むことです。

日々の生活の中でお金が足りなかったり、目的をもって貯金をしたり、そうした経験からある程度までは学ぶことができます。

ですが100年時代をお金に苦労しない人生にしたいのであれば、お金を働かせてお金を得る方法・・・つまり投資についても学ぶほうがよいとされています。

投資は本来はギャンブルではありませんが、多くの方が不安を感じると思います。

スポーツや趣味と同じで、まずは少しずつ情報に触れる機会を増やし、ポケットマネーで体験的に始めてみるのがよいと思います。

 

【問いの答え】

1.10000×(1.02)^5 ≒ 約11040円。

2.減る。

3.間違っている。

4.正しい。

5.下がる。


お金に関する自己主体感

 自己主体感とは、「みずから取り組む」という意識です。

今までは国や会社・また、周りの人々がやっている通りの金銭計画にのっとって進んでいく割合が非常に大きかったと思います(年金や昇給、マイホーム計画など)。

しかし◆3ステージからマルチステージへで触れたとおり、これからは個人がそれぞれオリジナルな人生設計を組み立てるため、画一的な経済設計は機能しなくなります。

ですから、お金についても「みずから取り組む」ことができるようになる必要があります。

 

 そこで最も課題となるのが、セルフ・コントロール(自己管理)です。

人間は、目先の利益と長期的な計画があるときについ目先の利益を優先して動いてしまうことは、誰もが経験したことがあると思います。これは脳の構造上、ある程度仕方のないことだとされています。

しかし人生100年の計画を立てて行動していくのであれば、どうあれ自分で立てた長期的な計画を遂行していく必要があります。

 

 そこで、その場の衝動に負けずに合理的に判断するためのアイデアがあります。

理性と感情がぶつかったときに「80歳になった自分がもし隣にいるとしたら、なんと声をかけてくるだろうか?」と考えてみてください。

未来の自分の言葉に従って誘惑に打ち勝った先に、80歳になったあなたは「あのときよくやってくれてありがとう」と、過去の自分に感謝することと思います。