無形資産と有形資産のバランスを高めていくためには、余暇時間の使い方が重要になります。
「レクリエーション(娯楽)」に使っていた休み時間を「リ・クリエーション(成長)」の時間にあてることによって、生涯を通して幅広い選択肢を持ち続けることができます。
ここまでライフシフトでは、「長寿による人生の時間の増加」と「増えた時間をどのように使うか」に焦点が当てられてきましたが、ここでは「日々の時間配分」について考えます。
100年時代でワークライフバランスを保つためには無形資産を高めることが重要になると書いてきましたが、みなさんは日々のプライベートの時間をどのように使っていますか?
テクノロジーが進化して仕事の生産性が上がれば、自然と仕事の時間は少なくなるので、余暇の時間が増えていきます。事実、20世紀あるいは江戸時代などの昔と比べると、人々が仕事や家事に要する時間は短くなってきていることがわかると思います。
しかし、これを読んでいるほとんどの人が「時間は全然足りないよ」と感じていることでしょう。
なぜでしょうか?
それは、娯楽の選択肢が増えているからです。
スポーツ、テレビ、スマホ、ゲーム、映画、漫画、ショッピング、アニメ、SNS、友達との電話、旅行、ネットサーフィン、商業施設、遊園地、etc......
例を挙げるときりがありませんが、フリータイムが増えたとしても、人々の「やりたいこと」が爆発的に増えているので、結局「(やりたいことをやりきるには)時間がない」と感じるのです。
ですが100年時代を豊かに生きたいのなら、余暇の時間をこのような「レクリエーション」だけでなく「リ・クリエーション」にも使っていくことが重要になります。
リ・クリエーションとは、直訳すると「再創造」「再構成」という意味ですが、無形資産を増やすための自己投資を指します。
読書、勉強、大学、習いごと、情報収集、運動、筋トレ、瞑想、自然、リラックス、投資、副業、勉強会、講座、セミナー、新しい経験、新しい人に会う、自己分析、将来の計画etc......
これらはいずれも、◆生産性資産、◆活力資産、◆変身資産を高められる活動です。
こうした活動を通して無形資産を増やしていくと、仕事の生産性が上がってお金や時間が豊かになったり、家族関係がよくなって家事の負担が減ったり、ときには今までになかった人生の選択肢が浮かび上がることさえあります。
なかでも「やりたいことが見つからない」「なにから始めたらいいのかわからない」という方は、変身資産を増やせるようなリ・クリエーションの活動を意識してみるとよいと思います。
(参考)◆変身資産とは?
勘違いしないでいただきたいのは、レクリエーションがすべて悪だということではありません。たとえば、自己分析に役立てるための映画鑑賞や、人間関係づくりに役立てるためのテレビ・ネットなども、巡りめぐって自分のためになるでしょう。もちろん、休息のための休息も、活力資産を失わないために重要です。
大切なことは、目的をもってやるのか、浪費・空費・むだ遣いとなってしまうのかにあります。
自己責任のもとにレクリエーションとリ・クリエーションのバランスをとり、人生に悔いを残さないような時間の使い方にできるとよいですね。